今年10月16日に帰国することになり、長い間お世話になった日本人ゴルフ部よりハンガリーでのゴルフの思い出等についての執筆依頼を受けましたので、誠に僭越ですが以下のとおり綴って見ました。ご一読頂けたら光栄です。
 日本ではほとんどやっていなかったゴルフ、55歳でハンガリー駐在の辞令を受け、1999年6月にハンガリーに赴任し、ゴルフにはまりました。土・日はほとんど通いましたので、12年間の駐在で、多分、800回以上はゴルフ場に通ったことになります。その所為でゴルフ部の皆様からは「鉄人」と呼ばれ光栄です。

 ハンガリーでのゴルフはプレーの面白みもありますが、非常に良い運動になります。ご存知のとおり、日本でのゴルフはほとんど電動カートでラウンドし、途中でビールを飲みながら昼食が一般的で運動にならないのに比べ、ハンガリーでのゴルフは歩きで途中の昼食もなくラウンドするので、8kmぐらいアップダウンのあるところを歩くことになり、体力勝負の一面が強いです。
 また、ゴルフの魅力のひとつは60歳代の高齢者でも20歳代・30歳代の若者と対等に
本気でプレーできるのが魅力です。その意味で、技量・経験+頭脳のスポーツの気がします。体力のある20歳代・30歳代の若者でも簡単にスコアアップは難しく、皆、苦労しています。
 本題のハンガリーでのゴルフの思い出ですが、ハンガリーには18ホールのゴルフ場が現在、休止中も含め、7ヶ所あると思いますが、メンバーになっているゴルフ場以外にも良く行き、それぞれ思い出があります。
 メンバーになっているPannonia Golf & C.C.はバンカーや池などの障害物は少なく、フェアウェーも広く、伸び伸び打てますが、距離が長いのに加え、グリーンの傾斜がきつかったり、芝目がきつくパターが難しいゴルフ場です。12年間も通ったのに90を切れず大変残念です。唯一、誇れるのは、2009年秋のマッチプレー大会で優勝できたことで、最高齢(当時65歳)での優勝とのことで、主催者「大吉」の店主から褒められ大変光栄です。
 この他に、心に残るのがRoyal Balaton Golf & Yacht Clubです。バラトン湖の絶景を見ながらプレーできるゴルフ場で、再度ハンガリーに来ることがあったら、もう一度訪れたい所です。ただ、このゴルフ場は前半が池やバンカーが多く、後半は両側が背の高い林や崖越えの難所が多く、タフな設計になっており、バラトン湖の絶景を楽しんでいる余裕はありません。
 また、毎年開催されるパンノニアワールドカップ(日本選抜、欧州選抜、米国選抜、韓国選抜)の思い出ですが、今年はこんなことがありました。
 小生が一緒にラウンドした選手は、ドイツ人とオーストリア人でした。大震災による福島原発が問題になっている時期であったので、プレー中もこの問題が議論になり、ドイツは「原発廃止を決めた」、オーストリアは「原発ゼロの国である」と言われ、日本の原発に対する方針を責められ、ゴルフのスコアも散々の結果になりました。しかし、インターナショナルにこのような議論ができたのも良い思い出です。
 その他、毎年一回開催される日本人各国駐在員(ハンガリー、オーストリア、チェコ、スロバキア)ゴルフ部対抗戦での思い出もいくつもあります。いつも行きのバスの中では酒の勢いもあり作戦会議で盛り上がりますが、帰りのバスの中は反省ばかりです。「なでしこJAPAN」のように、行きも帰りも盛り上がりたいものです。

 それでは最後になりますが、ハンガリーよ、さようなら、ハンガリーでのゴルフ人生は
 私の一生の思い出、宝も物です。