あの日の空には、清々しい青が限りなく広がっていた。しかし裏腹に、私の心は重苦しい緊張に支配されていた。中学部3年生としての、団長として責任感に潰されてしまいそうだったのである。あれだけ必死に練習を繰り返したのだから、どうして緊張する必要があったのだろうか。今そう思えてならないのは、組体操が大成功を収めたからだろう。
 練習や本番を通して私が一番難しかったと感じたのはやはり、男子だけで作る「三段タワー」だ。その最中が緊張のピークだったことを、私は鮮明に覚えている。先ほど「どうして」と述べたが、この技だけは別だ。何しろ、練習の中でも「成功した」と言えるのは、片手で数えられる程だったのだから。それでも、無事作り上げることができた。その際の、そして組体操を終えた後の達成感や安心感といえば、1、2年生の時の比ではなかった。
 今後生きていく上で、今まで以上に大きな責任がのしかかって来ることが必ずやあるだろう。その時、今回の経験をバネにして潰れないよう、挫けないようにしたい。

(さかした・りゅういち)