一段と暖かくなり、春の息吹と共に木々の緑が日増しに色づく季節となりました。
 本日は、私たち卒業生3人の為に、お集り頂き、本当にどうもありがとうございます。
 3年前の4月。私たちは、そのキラキラ光る日差しの中を、中学生への期待と不安が入り混じる複雑な思いで入学式を迎えました。
 初めての中学生としての勉強。色々と思うところもあった3年間でしたが、気づけばもう中学生を卒業しようとしています。そして、私の心の中には数え切れないぐらいのたくさんの色々な思い出が昨日のことのようによみがえってきます。
 日差しの強さに初夏を感じる6月、私たちは全校生徒揃って、夏合宿に参加しました。山の中にあるホテルで1泊しただけでしたが、みんなと一緒に行った数々のアクティビティは、とても楽しかったです。そして、これを通して他学年の友達と協力し合い、一致団結しながら成し遂げた時の達成感も味わうことができました。何よりも今年は、中学3年生として、縦割り班の中にいる下級生を引っ張っていく立場となり、とても良い経験になりました。
 紅葉の便りがここかしこに感じられ始めた10月、私たちは日本人学校の児童生徒の皆さんと一緒に、運動会に参加しました。運動会では、みんなと一緒に力を振り絞って頑張りました。中には負けた競技もありましたが、みんなと力を合わせて成し得た勝利は、何にも代え難いものでした。
 あまり雪が降らなかった今年の1月に行われたカルタ大会。そのカルタ大会に向けて、みんな一生懸命練習をしました。そして、中学生はいつにも増して必死でした。なぜなら、今年から中学生は俳聖かるたではなく、百人一首で対戦することが決まったからです。中学生全員、百人一首は初めての経験でしたので、練習にはとても気合いが入っていました。結果はどうであれ、練習の甲斐もあり、全員で楽しみながら競い合うことが出来ました。

 そして、冬の名残りが去り始めた2月には、学習発表会がありました。今年の中学3年生は、中学一年生と合同で学習発表会に挑みました。学習発表会では、「裁判員制度」の劇をやると決まった後は、練習に練習を重ね、そして何度も修正を重ねて本番に向けて真剣に頑張りました。その甲斐もあり、そしてみんなが一生懸命練習に励んだこと、そして先生たちの献身的な協力があったお陰で立派な劇に仕上げる事が出来ました。
 これらだけではなく、私たちの成功の裏にはいつも先生がいました。今、ここで感謝の気持ちを表したいと思います。本当にどうもありがとうございました。
 みどりの丘補習校は、私たちに様々なことを学ばせてくれました。ハンガリーに居ながら日本の学校で使っている教科書を用いた学習。そして、日本に居るのと遜色ない国語の授業を受けながら勉強をすることが出来ました。今日のこの日まで教えて下さった先生方には感謝してもしきれません。
 最後になりましたが、素晴らしい出会いと経験をさせて頂いたみどりの丘補習校に対して、今後より一層のご発展を願います。心から感謝して答辞といたします。

(はたやま・さらい)