ハンガリー日本人ゴルフ部の畑山部長から、7年ぶりの4カ国対抗戦優勝を記念して、「ドナウの四季」へのエッセイ依頼が届いた。「ゴルフ部の輝かしい足跡として記録に残せる良い機会だと思いますので是非宜しくお願い致します」とあるが、今回の4カ国対抗戦は「成績上位者9名の合計」で争うルールで、小生はその9名に入っていない。「そんな小生が何を書くんだ?!」と正直思ったが、幹事としてご苦労された部長からの依頼なので、渋々筆を執った次第である。
 6月29日(日)晴れ、Pannonia Golf & CountryClub、ハンガリー・チームのホーム・コース。最終9番(Inスタートだった)を終え、同組で回った3 名のメンバーとがっちり握手、クラブハウスへと向かった。48+52=100、やっちまった・・・。途中ですれ違うハンガリー・チームのメンバーに「すみませんでした!」と謝る。先発組が待つテーブルの所に行き、これまた「すみませんでした!」と謝る。すると、何人ものチーム・メートが同じように謝る。「やっぱり今年はダメか」と思った。いや、しかし、「ん??何で僕は謝ってるんだ?昨年のオーストリアでの大会では謝らなかったぞ」。そう、ハンガリー・チームはこの1年で上級者が次々と帰国、実は今年は「9名に入らないといけない」と思っていた自分が居た。そして多分、少しだけかも知れないが、「藤田は入るだろう」と思っていた人も居た筈だ。「戦犯」と言う言葉が頭をよぎった。
 小生は幹事の一人として、この日は司会を務めた。但し、事前準備には一切参加せず、当日限定のちょい役(ちなみに、閉会式の最後の締めで畑山部長が挨拶、その時に各人の苦労をねぎらい幹事一人ひとりを紹介して終わったが、小生は名前を呼んで貰えなかった・・・)。さて、いよいよ団体戦の成績発表に! 今回の成績集計・発表ソフトはなかなかの優れものだった。各チームの第1位から順番に発表され、その時点での合計が発表される。第1位の段階ではオーストリアのメンバーが82でトップ、しかし第2位の時点でハンガリーは174で1位に浮上。第3位、第4位、…、第7位で町野さんが99で登場、ここまでハンガリー・チームはずっと1位をキープ。この時点で小生は優勝を確信。「あと2人だ、ひょっとしてぇ---!」。「同じ100の場合、年齢が上の方が先に出るんじゃないか?そしたら多分、僕だ!」。司会と言う任務を忘れて、一瞬の間にこんな事を思っていた。しかし、残りの2人も99だった。
 本大会の前日の練習ラウンド、最終18番の長いPar 4でツー・オン、3mほどのバーディー・パットを決めれば45+44=89の自己新となるはずだったのが、強気のパットでボギーとなり91に。でもこの日のメンバーの中で、多分ベスグロだった。「明日もいける!」と思ったのに・・・。4カ国が終わると、1年後の4カ国対抗戦まで、また一から出直しだ。1週間後の週末ゴルフ(株式会社R和のT山さんが毎週予約してくれる誠に有難い集まり)に参加、42+48=90の自己ベスト・タイが出た。ゴルフはなかなか深くて厳しい。

(ふじた・ひろかず 伊藤忠ハンガリー)