ギラギラと光る太陽の下。少し涼しくなったかな。心地よい風が吹く中、ふれあい大運動会が行われた。小学生最後の運動会は、ぼくが「あとちょっとの6年生をがんばろう」と思わせてくれるような運動会だった。この運動会は、「ぼくなんか…」と思っていた自分を勇気づけてくれた。
 僕が、この運動会で一番心に残ったことは競技や委員会のことではない。心のことだ。ぼくは、さっき書いた通り、自分に自信をもつことができてない。だから、一つ一つの競技から課題を見つければ、がんばれるかもしれないと思った。その中でも、徒競走が一番課題を達成できたと思った。
 徒競走でぼくは「あきらめない」をできるようにしようと思った。一緒に走るのは、正剛さんと宏輝さんだった。練習の時から「スポーツマンの2人と走るとか負けるに決まってんじゃん」と思った。本番のスタートも、半ばあきらめかけていた。「もう無理だ…」どんどん差は広がった。「あきらめるな」という気持ちが心のどこかにあった。「そうだ、最後なんだ」と思うと、体育で習った、顔を上に向けず走るということが頭に浮かんだので、できるだけ真っすぐにして走った。差は広がるままだったが、6年間の運動会で一番全力で走ることができた。
 「いろんな事に楽しみを感じるのは大切」これは前、ぼくがハンガリーダンスを笑顔でおどれないことを学まとで書いた時、先生がくれたアドバイスだ。課題を見つけることをゲームだと思うことで、楽しく課題を見つけることができた。一石二鳥、いや、三鳥くらいあるかもしれない。徒競走で一番いい走りだったのはあきらめなかったからだ。ぼくは結局最下位だった。でも、気持ちでは1位だと思う。負けると分かっても、全力で走ってがんばれば、心では勝つんだということが分かった。
 今までは「いけるかな?」と思っていたことはチャレンジしてこなかった。でも、この運動会ではぼくは、負けると分かっていても全力で走ることができた。そして、昔からずっと言われてきた「やらないで後悔するより、やって後悔するほうがいい」ということを守れた。まだまだ安心するのは早い。もっとがんばれるように自分自身に「失敗しても大丈夫だ」といえるようになりたい。

(やまもと・れん)