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東京アドベンチャー
Hajlinger Bianka


   以前、東京を訪ねた知り合いが「東京は大して面白くない街だ」とガッカリしていました。確かに、都心には近代的な高層ビルが多く、銀座やスカイツリーだけで観光が終わると面白くないと感じたんでしょう。しかし、東京はそれだけではないと思います。そこで、私が今まで見た、風変わりでインパクトのある観光スポットを紹介したいと思います。
 東京は京都や奈良に比べると昔の建物は少ないものの、興味深いお寺や神社が数多くあるので、寺院と神社巡りを楽しみながらかつての江戸の歴史、文化やにぎわいを味わう事ができます。
 まず思い浮かぶのは国内のみならず世界的に名高い観光地である浅草寺です。628年に建てられたお寺で、都内最古の寺院といわれています。江戸時代に幕府の祈願所に指定されたため、浅草寺の辺りは下町の中心として栄えました。浅草寺の見どころの一つは浅草全体のシンボルとなった雷門です。雷門をくぐった先の仲見世通りに数え切れないほどのお店が並んでいて、いつも観光客でにぎわっています。仲見世通りの人ごみを抜けて、宝蔵門をくぐるとお寺の中心の本堂や、五重塔、伝法院などを見物できます。浅草寺のライトアップも印象的な光景です。
 東京の葛飾区にある柴又帝釈天も見どころが非常に多いお寺です。柴又は映画「男はつらいよ」の舞台になったことで多くの人に親しまれています。柴又駅から少し歩くとお寺へ向かう帝釈天参道に着きます。下町雰囲気があふれる参道に駄菓子、草もちや色々なお土産を売っているお店が軒を並べていて、昭和レトロを満喫できます。柴又帝釈天のハイライトは随所に見られる木彫刻の数々なので、じっくり時間をかけて見てまわるのがポイントです。お寺の入り口の二天門や帝釈天本堂や関東一の鐘楼(しょうろう)と賞される大鐘楼の彫刻も印象的ですが、彫刻ギャラリーで見られる彫刻の奥行きの深さとディテールの細かさに本当に驚かされます。彫刻の他に、大客殿とその前に広がる邃渓園(すいけいえん)という庭園が見所です。
 また、都会の雑踏的な雰囲気に対して静穏で色鮮やかな神田明神や、自然豊かな深大寺やインドとヨーロッパ建築の特徴が混ざったような築地本願寺なども是非見てみたい所です。
 東京にはまるでここが日本ではないような異国情緒に満ちている珍しい建物もあります。その建物とは御茶ノ水にあるニコライ堂(正式名所:日本ハリストス正教会東京復活大聖堂)という東方正教会の教会です。明治24年(1891)に建てられて、建築のスタイルは東ヨーロッパの教会に一般に見られるビザンチン様式で、中心に玉葱型ドームがそびえ立っています。カトリック教の十字架と違うロシア十字架や漢字で書かれた聖書を持っているキリストの画など面白いディテールにもあふれています。ニコライ堂の中に入ってみると、正面にたくさんのイコノスタス(聖画像)が飾られていて、四方に大きいステンドガラスがあって、淡い輝きがとても印象的です。「東京にこんな場所があったんだぁ」と感動する観光地です。
 お寺や教会巡りの気分転換に買い物を楽しみたい時に神田の神保町に出掛けてみてもいいと思います。世界最大級といわれる古書店を中心とした書店街として知られている神保町にはありとあらゆるジャンルが揃っているので、本や雑誌を眺めながら楽しい時間を過ごせます。
 一方、都心の雑踏から少し解放されたい場合、東京都八王子市にある高尾山がぴったりだと思います。新宿から約50分で行ける、都心に近い場所でありながら、豊かな自然に囲まれて山歩きができるのは高尾山の魅力の一つです。高さ約600mで初心者も気軽に登れるハイキングスポットですし、どの季節でも見所が満載で、紅葉や桜の時期にも絶景を楽しむ事ができます。更に、高尾山の山腹に薬王院という、1200年以上の歴史がある寺院や様々な神社が広がります。詳密な彫刻で飾られている本堂や本殿、インド風な仏舎利塔、色々な所に見られる山の妖怪、天狗の像、面や天狗“雑貨”が印象的です。高尾山から下山して、高尾山口駅の近くにあるトリックアート美術館(だまし絵の美術館)に寄ってみてもいいのかもしれません。
 そして最後に、都内から日帰りで行ける面白いお出かけスポットを紹介したいと思います。まずは横浜の代表的な観光地、赤レンガ倉庫と中華街。赤レンガ倉庫は倉庫として使われていた歴史的建造物を利用したショッピングモールで、レトロな雰囲気と横浜の海をのぞむ風景が魅力です。横浜中華街に行けば、中国本場の活気ある雰囲気と、おいしい中華料理を味わえることができます。それから、武家の古都、鎌倉。人気がある観光地で、鎌倉大仏で有名な高徳院、鶴が丘八幡宮や銭洗弁財天などなど1日でまわりきれないほどのお寺や神社があります。そして、小江戸とも呼ばれる埼玉県の川越。江戸情緒にあふれる蔵造りの町並み、川越のシンボルである時の鐘や、色とりどりの手作り飴や駄菓子を売っている下町風のお店が並んでいる菓子屋横丁がとても印象的です。
 まだまだ他にも見所がたくさんあります。皆さんも機会がありましたら、是非東京を冒険してみてください。
(ハイリンガー・ビアンカ)
 
 

Web editorial office in Donau 4 Seasons.