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留学することの喜びと悲しみ
Zugor Valentina


 私は去年カーロリ大学のコミュニケーション学科とメディア学科を卒業し、現在同大学の日本学修士課程で勉強をしています。2年前、交換留学生として日本の城西大学で勉強させて頂きました。現代政策学部社会経済システム学科で勉強しつつ、日本での生活を体験したり、日本人でも他の国からの留学生とも友達をたくさん作ったりしました。帰国してからずっと、日本留学の1年間は今までの人生の最高の1年間でしたと皆に言っています。それはそうなのですが、最近は留学ということについてよく考えています。
 留学は最高に楽しいことですが、同時にそれを終えてしまうと何よりも寂しいことになります。半年か1年間を外国の国で過ごすとその国は親しくなってきます。留学先の城西大学は埼玉県の坂戸市の周辺にあり、坂戸市にいることはだんだんと自然になりました。しかも、坂戸市だけではなくて後期は学校法人城西大学の東京キャンパスでも授業をとっていました。そのため、池袋駅まで定期券を持っていて、行きたいだけ東京に行くことも自然でした。今も時々、「坂戸市のショッピングモールで日本の映画を観に行きたい」、「週末原宿で買い物したい」、「友達と次は代々木公園を散歩したい」などの気持ちが突然わき起こってきます。留学しているときは普通にできることだったのに、今は日本に行きたくても、航空券が高くて、飛行機が時間をかかりすぎて、そんな簡単には行けません。留学中できた友達に連絡して、「土曜日どこか行かない?」と聞きたいけど、それも無理だと分かっています。それよりも、また日本に戻っても同じようにならないことが寂しいです。旅行で、仕事で、また別の留学で日本に行っても、前の留学生活にはもう戻ることができません。日本にいても、坂戸駅で越生行きの電車に乗って9時半の授業に城西大学の方へ行かないだろう。その時はもう城西大学の留学生ではないのです。もし、城西大学に通学しても、多くの友達はもう卒業しただろう。こう考えると、物凄く寂しいです。
 
 

 また、留学のおかげで日本語能が上達しました。留学前は日本語に自信がなくて日本人と話すのが苦手でしたが、帰国後初めてハンガリーに留学している日本人の留学生と仲良くなりました。ハンガリーに留学していた日本人の学生と友達になり、自分の国を紹介したり、1年間は一緒に色々遊んだりしていました。この1年間は私にとって第二留学のように感じていました。またまた最高に楽しかったです。しかし、1年間がまた終わって、離れるのもまた同じように寂しかったです。こんなに悲しくなるなら何で留学するだろうかと自分自身に聞きました。悲しくすることをやめた方がいいのですね。
 それでも、私は留学をして良かったと思っているし、半年でもいいから、皆一度は留学を経験した方がいいと考えています。留学中は、自分の国と違う文化に、自分の考え方と違う考え方を持つ外国の人に出会い、世界が開けてくると思います。世界のこちらにもそちらにも友達がいることは中々いいことですよ。もし私が今から日本・ポーランド・韓国などに行くことになったら、そこには友達がいます。日本、ポーランド、中国、韓国、マレーシアからの友達がハンガリーに来たら、私は喜んで案内できます。折角だから、ハンガリー人の友達にも、私の留学中できた大切な友達を会わせることもできそうです。
 留学前は日本語の授業も、英語の授業も受けたことがありませんでした。最初は政治学などの専門的な話を日本語で理解するのが難しかったですが、ちょっとずつ分かるようになりました。留学のおかげで、英語と日本語の能力がとても上がりました。また、私は高校を卒業した頃、メディアで働きたいという夢を持って大学に入りました。しかし、実際のメディアの世界は私の性格に合わないようです。この不安な気持ちで日本に飛び出しました。現代政策学部はカーロリ大学での専攻と違って、多くの知識を新たに収集しました。日本留学のおかげで本当にやりたいことも見つかることができました。帰国してから、ハンガリーで前に決めたメディア専攻から国際コミュニケーション専攻に変えました。今後は国際的な仕事に就き、日本とハンガリーを繋がる職を目指しています。留学というのはただ「外国で勉強する」ことだけではなく、経験や友達、そして夢をくれて人生を変える可能性を持つ大きなことだと思います。一度は皆に留学体験して欲しいです。

(ズゴル・ヴァレンティナ)
 
 

Web editorial office in Donau 4 Seasons.