笑顔で楽しく踊る 小学部6年 原田 康平
 「笑顔で、楽しく踊ること」。正直なところ、初めはあまりハンガリーダンスを楽しみにしていませんでした。あまり踊ったりするのが好きではなかったからです。ですが、練習を積み重ねていくうちに楽しくなりましたが、本番が近づくにつれて、不安な気持ちにもなりました。「ここまでやってきたらやりきろう」と最後まで踊りきることができましたが、たくさんの苦労がありました。
 1回目の練習。講師の方を招いてのハンガリーダンス練習が行われた時は、歌や最初の場面を重点的に練習しました。その次の日から、朝の30分間を使って、前の練習の動画を見ながら改善点を見直し、みんなで意見を出し合いました。
 「ステップを小さくしたらいいんじゃない」、「もっとリズムに乗って踊った方がいいよ」と、話し合いながら練習をしました。また、「見ているお客さんも楽しんでもらえるハンガリーダンスにしよう」という目標もありました。この二つの目標の共通点は、「自分たちが楽しまないと何も始まらない」ということです。これを忘れず練習を重ねました。
 難しいステップなどを習った時は、「こんなのできるの」と愚痴をこぼしそうになったこともありましたが、上達していくにつれて、出来た時の喜びはとても大きいものでした。もちろん反対のこともありました。1回目はできたのに2回目はできなかった時、とても悔しい思いをしました。だからこそ、本番で後悔しないよう練習しました。
 その後、次々に新しいステップを覚えていくと、一つ一つの細かな動きを忘れてしまって、簡単なことではありませんでした。また、そこに衣装を着るので、動きが難しくなる分だけがんばらないといけませんでした。
 自分達だけの練習の時は自分たちで目標を立てて取り組みました。先生方からは、「終わった後、息が上がっていないならまだできる」、「多くの人が下を向いているから、もっと堂々としていたほうがかっこいい」と声を掛けられました。このことを忘れず、ぼくたちは本番までより良いものを目指して、練習を重ねていきました。
 本番当日。ぼくは、「間違えないようにしよう」と多少緊張していました。ダンスが始まる直前に先生から、「間違えてもいいから、楽しんで踊りなさい」と言われ、ぼくは、「後悔しないよう踊ろう」と思い直しました。それで、少し緊張がほぐれました。
 本番のステージで、始めた直後にちょっとしたミスがありましたが、最後まで大きなミスは無くてよかったです。最後の礼をして顔を上げた時、カメラのフラッシュがたくさん光っていました。その光景を見た瞬間、達成感でいっぱいになりました。自分でも心残りなく、全力を発揮できてうれしかったです。また、本番は自分の思っていた以上に楽しむことが出来ました。

(はらだ・こうへい)

努力とあきらめないことの大切さ 小学部6年 高橋 勇吹
 青空の下、すごく暖かい気候の中で始まった運動会。たくさんの競技の中、一番緊張し、達成感を得られたのは組体操だ。その技の中でも、補助倒立では、他の技と比べものにならないくらい緊張した。その理由は、運動会の前にあった。
 二人技ではペアがいないと成り立たない。僕のペアは5年生の林正剛君だ。正剛君と、たくさんある二人技を頑張って練習した。けれども、練習で成功したことは、一、二度あるかないかぐらいだった。運動会の前日の練習でも、やっぱり倒れてしまった。休み時間も、たくさん練習を積み重ねたが、この休み時間でも成功しなかった。そんな中途半端な状態で、最後の練習が終わった。その日の夜は、補助倒立のことで頭がいっぱいになり、あまり眠れなかった。
 そして迎えた運動会当日。たくさんの人が見守る中、本番が始まった。どの競技でも、補助倒立のことが頭から離れない。そして、あっという間に、昼食の時間になった。この時に、早く弁当を食べ終えて、正剛君を探した。「練習をするチャンスは今しかない」と思って、必死になって探した。5分程度探したら、正剛君を見つけた。
「倒立の練習をしよう」と声をかけた。すると、「やろう、やろう」と明るい声で返してくれた。少しの時間しかなかったが、正剛君と一緒に、できるだけ多く練習した。すると3回連続で成功した。そして、正剛君は「コツを今つかめた」と言った。その言葉を聞いて、とても頼もしく感じた。練習できる時間は、あっという間に終わってしまった。補助倒立を成功させられる希望が見えてきた。僕は、すごく安心した。会場に、組体操が始まる、という放送が流れた。
「ドクドク」組体操の緊張で、自分の心臓の音がいつも以上によく聞こえてきた。
 補助倒立以外の技は心配なかったから、すごく堂々と演技ができた。明るい曲の中、たくさんの技を披露した。でも自分の予想ほど緊張はしなかった。二人技をするところまで来た。二人技も、練習通りに演技をすることができた。そしていよいよ、補助倒立の時が来た。周りは静かだった。成功させられるか、すごく心配し緊張したけれど、僕は勇気を出して、練習通り力いっぱい地面を蹴った。すると、正剛君はしっかり支えてくれて、補助倒立は見事に成功。その時、僕はすごく晴れやかな気持ちで、うれしさと達成感を得ることができた。他の技も、たくさんの人と協力して完成させることができて、とてもうれしかった。今年の組体操は大成功だったと思う。
 本番前に練習をしたからこそ、学校の練習ではつかめなかったコツをつかむことができた。だからこそ、努力は大切なのだと改めて思った。最後まで練習を続けたからこそ、成功させることができた。だから、あきらめない強い気持ちも大切だと分かった。
 今年の運動会で学んだ、「努力とあきらめないことの大切さ」を生かして、これからの学校生活を頑張っていきたいと思う。

(たかはし・いぶき)