アナウンスが入った。私たちは円じんを組み、気合を入れる。
 9月15日、日ごろの練習の成果を発揮する日。私達は、この運動会に向けて、日々練習をしてきた。
 そんな中、特に気合を入れたのが組体操だった。しかし、一人技から二人技、三人技とどんどん人数が増えていく。私は、三人技の「飛行機」という技に苦労した。それは、上で体をのばし、うでものばしていなければならないからだ。初めてやってみた時、体は曲がり、うでもたえきれず、曲がってしまった。しかし、練習を重ねるうち、体もうでもまっすぐになった。嬉しかった。まだ、全員ピラミッドや三段タワーといった大技が残っていたが、「飛行機」だけでも達成感があった。
 たくさんの練習を積み重ね、そして迎えた本番。そんなに緊張しなかった。むしろ、日頃の練習の成果を、お父さんやお母さん、そして妹に見てもらえるのが嬉しかった。
「ピッ」
仲川先生が笛を吹く。みんながパッと倒れる。そうしているうちに、「飛行機」の番がきた。見事に決まった。大きな拍手が起こる。全員ピラミッドは、一番下の段なので少し待たなければいけない。
「ピッ」
完成の笛がなる。私たち全員が顔を上げる。またまた拍手のうずが起きる。三段タワーが終わった後、私の胸は達成感と嬉しさでいっぱいだった。
「ありがとうございました。」
そう言った後、つい笑顔になってしまった。
 運動会の結果は、準優勝だったけど、みんなの笑顔が輝いてみえた。笑顔のうちに終われて、とてもよかった。

(ひろた・うらら)