初めて日本語補習校について聞いたのは、大阪からハンガリーへ帰国した後の2003年夏で、知り合いが教えてくれました。娘たちは当時6歳半と4歳でしたが、日本の幼稚園で過ごした1年半のうちに日本語を習得し、二人で遊ぶ時には、しょっちゅう日本語になっているほどでした。長女は大阪の小学校に入学し、ひらがなと最初に習う漢字いくつかを既に勉強していました。
 私たちは親として、「この知識を忘れさせてはならない。そしてこの言語能力を生かして、非常に豊かな日本の文化をもっと知る価値がある」と思いました。こうした中、補習校がブダペストにあると知ったときは、非常に嬉しく、すぐに入学手続きをとりました。この学校の明るい雰囲気、行き届いた運営、親切で熱心な先生方をとても素晴らしいと思っています。
 この6年間、補習校のおかげで、長女は、日本的な環境の中で、日本人の先生から、同年代の子供たちと一緒に日本語を学び、しゃべることができました。そのため、日本語を忘れないどころか、さらに能力を高めています。私 たちにとっては、語学の習得だけが大切なのではありません。日本について多くの興味深いことを知ることができました。また、娘たちは、地理的には遥かかな たにある文化も、知り得ることができ、受け入れ、そして好きになることが可能であるということを、極々当たり前のこととして捉えており、こうしたことは大 変貴重なことと考えています。
 補習校のプログラムの中では、チッレベールツで行った一泊の宿泊学習が、娘にとっては「金賞」に値する最も楽しいものだったということです。学校の仲間と一緒に料理をし、劇を演じ、夜は怪談話で盛り上がったそうです。
 土曜日の4時間の授業の中で、現代の日本について学ぶことはとても興味深いことです。そして優しく親身な先生方には心から感謝しています。