今年の春から長男が補習校の1年生として楽しく通わせて頂いています。
 しかし昨年の秋、補習校の見学の案内を頂いた時、我が子が入学することなど考えてもおりませんでした。その理由は3つ、我が家の言語はハンガリー語、英語が中心で日本語を使う機会は少なく、また普段の生活もハンガリーにとっぷりと漬かっており、いきなり補習校に入って大丈夫かしら。また土曜日(週末)は家族でゆっくり過ごすものと思っている主人とその家族に理解をしてもらえるかしら。9月からはハンガリーの学校も始まり、ちゃんと両立が出来るかしら。大丈夫かしら、出来るかしらと考えてばかりの堂々巡り、いつの間にか自分の中で入学することは無理と決めつけていました。
 そんな時、先に補習校に通っている保護者の方ら、見学するだけでもいいからと声をかけて頂き、自分の中でもこれが最後のチャンスかもしれないと見学に行かせて頂きました。案の定、日本語での授業は全くわからなかったと残念そうな長男、絶対に補習校には行きたくないと言われることを覚悟していました。しかし小さな口から出てきた言葉は、憧れの学校に通えるがうれしい。予想外の言葉にビックリしたものの、気に入ってくれた事が私自身も本当に嬉しく、親子で頑張ってみようとようやく入学をする決心ができました。
 4月の入学式、そして初めての授業を終えての帰り道、日本語が殆どできない長男が車の中で楽しそうに「ピカピカの1年生♪〜」と歌っているのです。自分が選んだ道とはいえ、慣れない土地での育児、家事、仕事等、今までの色々な思いが重なり、感無量、涙が一気に溢れてきました。
 あっという間に1学期が終了、たった3ヶ月の間に、ひらかなの50音を覚え、日本語の絵本を一人で読めるようになりました。休むことなく無事に通えたのも、一緒に頑張れるお友達がいたこと、また日本語の語学力に差があるにも関わらず、個々のレベルに適した温かい授業つくりをして下さった先生のお陰と思います。
 いよいよ2学期、同時にハンガリーの学校も始まりました。2つの学校の両立はやはり思ったよりも大変ですが、不思議にも長男からやめたいとの言葉は出てきません。限られた時間の中で集中して宿題できるように工夫する中、我が家でも日本語を使う機会が少しずつ増えています。気が付くと子供たちから教えられる事が多く、私も1年生になったつもりで、一緒に成長できればと思います。
トンポシュ ノリコ